気づいたら10年打ち込んでいた元スケーターの備忘録

元大学生フィギュアスケーターが10年間のスケート人生を通じて感じたことを、当事者ならではの視点から書いたり、そんな私の感性に刺さったモノを紹介します。

大学でフィギュアスケートをやるということ

大学生でフィギュアスケートをしている人の

スケートとの関わり方の背景には、様々なものがあります。

 

いろんなタイプの人に出会うたびに、私は、いろんな人がそれぞれの思いでスケートをしていることを感じ、感動してしまいます。

 

大学生でスケートをしている人のタイプとしては

大きく以下の4つにわけられるかと思います。

・5.6歳くらいの小さい頃からずっとスケートを続けている人

・中学高校のときに始めて、続けている人(私もこのタイプです)

・大学から始めた人

・小さい頃にスケートをやっていて、数年間のブランクを経て、大学で再び始めた人

 

印象的な人のエピソードをいくつか挙げようと思います。

Aさんのエピソード

Aさんは小さい頃クラブに入りスケートをやっていましたが

途中でやめ、大学に入り約10年ぶりにスケートをやることにしたといいます。

ブランクの期間が数年ならまだしも、10年というのは、聞いたとき衝撃を受けました。Aさんは小さい頃にある程度上のレベルまでいっていたので、

もう一度始めてもどこまでレベルを戻せるか、自分でも分からず不安もあっただろうなと思うと、スケートの世界に戻ってきたその勇気に感動してしまいました。

 

Bさんのエピソード

Bさんがスケートを始めたのは大学2年の秋です。

大学卒業時の引退までおよそ残り2年半です。笑 

それまではフィギュアスケートを見ることが好きでした。

大学生スケーターとしては始めたのが1番遅いのではとも思われるBさんでしたが、

引退する頃には、ジャンプは1回転半、2回転までとべるようになっていたのです。

Bさんの成長スピードには終始驚かされていました。

最後まで貪欲に上を目指し、練習を重ねる姿には胸を打たれるものがありました。

 

Cさんのエピソード

Cさんは大学生でスケートに関わっていますが、自身は滑っていません。

学生の試合の運営側に回っているのです。

Cさんは上手い人の演技をみると、自分もあんなふうに滑りたい、ではなく

この人たちがいつもベストな演技ができるように試合を運営したい、と思うそうです。自分たちの試合はこの人たちに支えられていたんだと思うと

Cさんの裏方としての思いに胸がいっぱいになりました。

 

今回挙げた3人の例は私が出会った人のほんの一部です。

普段は別々の場所で練習している学生たちが、試合でひとつの場所に集結し、

同じくらいのレベルのクラスで競い合い、レベルを超えて応援し合います。

 

特に大学生版の全日本であるインカレの予選の試合となると

演技後や結果が出たあとに涙を流している人が少なくありません。

これまでのスケートの背景や今のスケート環境、

大学生活でのスケートの位置づけは、まさに十人十色です

それぞれの思いでその試合に挑んでいる姿には、いつも胸を打たれていました。

 

相手と直接戦ったり、レギュラー争いが常ではないからこそ

どんな人も受け入れてみんなで盛り上がれるのは、

フィギュアスケートの素晴らしさの1つだと

大学でのスケート生活を通して実感したのです。