気づいたら10年打ち込んでいた元スケーターの備忘録

元大学生フィギュアスケーターが10年間のスケート人生を通じて感じたことを、当事者ならではの視点から書いたり、そんな私の感性に刺さったモノを紹介します。

なぜそんなに試合に出たかったのか?

私は、フィギュアスケートを続ける中で、試合に出ることが大好きでした。

出れる試合には全部出たい!と思ってやってきました。

今回は、なぜ試合が好きなのか、試合の魅力を内省しながら書いていこうと思います。

 

スポーツをしていると

練習が好きな人と試合が好きな人、2パターンの人がいると思います。

私は後者でした。

できなかったことができるようになる嬉しさがある練習も好きでしたが

試合の方がより好きでした。

 

私が試合が好きな理由の1つは、1人で滑る気持ち良さです。

 

普段練習をしているときは同じ時間に必ず複数人が滑っているので

怪我をしないように常に周りを気にしながら滑ることになります。

一度、自分が滑っている様子の動画を見たところ、

自分でも笑ってしまうくらいキョロキョロ周りを見ながら、滑っていました。笑

 

一般営業時間内に滑るときには、シーズンにもよりますが

一般のお客様、教室生、クラブ生と数え切れないほどの人が氷の上にのっています。

 

クラブ生しか滑れない一般営業時間外の貸切のときでも、

40人〜50人が一度に滑っています。

貸し切りでは順番に自分のプログラムの曲をかけて滑れるのですが、

そのときもキョロキョロしながら滑っています。

人がいてここのジャンプが跳べなかった、なんてこともざらにありました。

大学の貸切となると10人前後と結構減りますが(ちなみに私が経験した最少人数は3人)、1人で滑ることは決してありませんでした。

 

ところが一変、試合では必ず1人で滑ります。

当然といえばそうなのですが。

普段の練習環境を考えると

大きなリンクで周りの人を気にせずに、音楽に合わせて伸び伸びと滑れる。

それだけでとっても気持ちが良いのです!

 

その気持ちよさを体いっぱいに感じられるのは

練習では味わえない、試合ならではの大きな魅力です。

 

試合が好きな理由の2つ目は、自分自身への挑戦ができることです。

試合では他人の点数と比較した結果の順位が出ます。

しかしそれ以上に、自分の演技の内容、それに対する結果と評価、

それらを踏まえ次の試合に向けての改善点は何かということが大事だと考えます。

 

その試合に向けて、どのような練習を重ねて挑むか。

そして試合で自分がどこまでできるか、というワクワクもある緊張感。

そんな中でいい演技ができたり、

この試合ではこの技に挑戦しよう」「この試合では何点以上を出したい」

というように目標に対する評価が得られたときの歓喜は、何にも代えがたいものです。

 

もちろん、練習してきたことが全然出せずに、どん底に落ちることもありました。

でも、それもひとつの経験です。

どん底も味わったからこそ、うまくいったときの喜びもひとしおなのです。

 

このような感覚に共感してくれる人はあまり多くはありません。笑

中学高校と比べ、大学入学後は、参加できる試合の数が一気に増えました。(年に2試合→年に7〜8試合) これは試合好きな私としては、よかった点です。

試合の数が中高のままだと、ここまでスケートを続けられていなかったかもしれない、と今では思います。

 

スケート以外の日常生活ではあまり味わうことがない、独特の緊張感がある「試合」。

その緊張感の中で、自分が滑り、仲間が滑るのを応援し、

嬉し涙も悔し涙も流してきた経験を積み重ねてきたことは

大きな自信につながっているのではないか、と感じます。