サッカーグラウンドとスケートリンク、スポーツを行う場所について考えてみた
今回は、スポーツをする「場所」「環境」が持つ特性や可能性、汎用性といったことを考えてみました。
私がフィギュアスケートを通して経験してきたことは、全て「スケートリンク」という環境があったからです。1年中練習できるホームリンクが自宅から通える範囲にあったからこそ、長く続けることができたと思います。
まずはスケートではなく、「サッカー」について書いていきます。なんでいきなりサッカー?と思う方もいるかもしれまんせが、以前書いた「フィギュアスケートで社会課題を解決できるか」という内容と少しリンクしていて、素晴らしい活動をされている団体の方とお話しさせていただく機会があったので、この場でその団体のことをシェアできればと思います。
「love.fútbol」というNGOです。どのようなNGOかというと、サッカーしたくてもできない子どもたちの環境を変えるため、世界中でコミュニティ型のサッカー・スポーツグラウンドづくりを通じて、子どもたちに安全な場所、支え合う仲間、成長の機会の提供に取り組む米国のNGOです。ストリートサッカー中に交通事故で亡くなってしまう子どもがいる問題を背景に、
「サッカーが好きな世界中のすべての子どもが安全にサッカーできるグランドのある社会」を目指しています。(HPより引用:https://www.lovefutbol-japan.org/pages/699797/lovefutbol)
これまでに11の国で44のグラウンドづくりを実施してきています。
私が素敵だなと思うのは、グラウンドづくりの主体が、「地域のNPOや住民」という地域のコミュニティだということです。決して、love.fútbolの職員が主導して、地域のコミュニティが手伝うという形ではないのです。
コミュニティが主体となり進めることで、彼らの自信をつけたり、一体感を生み出したり、目標を実現するためのスキルを身につけたり、というように、一人一人の人間的成長やコミュニティの成長につながるのです。
グラウンドが完成した後に、彼ら自身でその周りに公園や商店を作ったり、広告を出したりすることで、地域経済を活性化させているコミュニティもあるそうです。
この団体が行なっていることはあくまで「サッカーグラウンドづくり」がメインですが、そのことを通じて、子どもたちが安全にサッカーができる環境を提供するだけでなく、各地の教育・貧困・治安・経済の問題解決といった、スポーツ+αのものを提供しているのです。(詳しくはHPを覗いていただけたらと思います。https://www.lovefutbol-japan.org/)
スポーツだけでは社会問題を解決することは難しいかもしれませんが、スポーツを手段やきっかけの一つとして用いることで、より多くの人を巻き込めたり、解決に向けて加速することができるというのは、スポーツが持つ大きな力である、とも思います。
まさに「スポーツ×社会課題の解決」を体現され、唯一無二な存在感を放っていて素敵だなぁと感じます。
話しは少し変わって...
スケートリンクというのは、特殊な場所だなと改めて思います。
コロナのことがあり、飲食店やショッピングモールなど多くの場所が閉鎖されています。スケートリンクも閉鎖されているところが少ないと思います。飲食店は食材をそのままにしておくわけにはいかないので、違う場所で販売したり。
スケートリンクは閉鎖されている間、どうなっているかと想像してみると、氷を保つために完全にはリンクの機能をストップしていないのではないのではないか、と思います。あくまで私個人の推測ですが。
食材と違って、リンクの氷をどこかに運び出すことはできません。完全にリンクの機能をストップしてしまうと、そのうち氷が溶け始め、一度元の状態を大きく損なってしまうと、再びそれまで通りに滑れる状態に戻すには相当なコストがかかると思います。
なので恐らく、スケートリンクとしての営業活動はしていないけれど、氷の状態は最低限維持していると思うのです。そして、そのコストはばかにならないと思います...。
こんなことから考えても、「サッカー」「サッカーグラウンド」というのは、世界中の多くの人が共通認識を持ち、他の活動と併用して用いることができる、汎用性が高いスポーツだなと感じました。
love.fútbolのような活動を「フィギュアスケート」「スケートリンク」という枠組みで考えてみると、果たしてどのようなことができるのでしょうか。