気づいたら10年打ち込んでいた元スケーターの備忘録

元大学生フィギュアスケーターが10年間のスケート人生を通じて感じたことを、当事者ならではの視点から書いたり、そんな私の感性に刺さったモノを紹介します。

スケーターの強み①「一人で立ち上がる力」

今回は、フィギュアスケートを続けてきたことによって身についた力について。

 

筋力やバランス感覚などの身体能力も身に付きますが、

今回は少し違う角度から書こうと思います。

私がスケートを続けたことで身についたと思う力の一つは

「一人で立ち上がる力」です。

 

これは、就職活動中にある方から言われた言葉をきっかけに気づいたことです。

 

「スケートって個人競技だから、自分が転んでも自分が頑張ればいいいだけだよね。」

 

就職活動中のある日、ある企業の方にスケートを話をしたところ

このようなことを言われました。

 

サッカーや野球などのように周りの人と協力しながら行うチームスポーツではなく、

スケートは個人競技なので一人で取り組むイメージが、その方は強かったのかなと

今は思います。

このことを言われたとき、私は大きなショックを受けました。

確かに、言われたことはその通りでもあると思います。

しかし、そのときは、今までの自分の努力やいろいろな人との経験を

踏みにじられたような気持ちになりました。

 

後日この出来事を友人に話したら、

「でも、ひとりで立ち上がれるだけまだいいじゃん。」

と言ってくれました。何かが起きたときに、世の中には一人では立ち上がれない人もいるだろうから、一人で立ち上がれるだけいい方じゃん、と。

 

私はこの言葉にすごく救われました。

捉え方次第でこんなにも変わるのか、と。

 

フィギュアスケートの日々の練習では

ジャンプやスピンなど一つの技を習得するまでに何回も転びます。

できるようになってからも、小さなスランプのように何度やっても転んでしまい、

正直嫌になってしまうこともあります。

 

でも、結局は自分が立ち上がってやるしかないのです。

自分がやめてしまえば、そこで終わりです。

もちろん、先生のアドバイスや友達の励ましが力になることも多々ありますが、

最後の最後には自分で自分を奮い立たせなければいけないのです。

 

試合のときには、一人で滑ります。

曲がかかり、最後のポーズをとるまで

何度転んでも、すぐに立ち上がって次に進まなければいけません。

 

私がこれまでに見た試合では

どんなに小さい子でも、試合の途中で演技を投げ出した子を見たことがありません。

当然のことかもしれませんが、小さい子からすると

私が感じるより何倍も大きなリンクなのだと思うと、感心してしまいます。

 

そんな日々の練習や、試合での経験を重ねていくことで

「一人で立ち上がる力」が身につくのだと思います。

この力はスケート以外の部分でも生きていると思います。

私自身、ちょっとやそっとのことでは、へこたれることはない気がします。笑 

何としてでもくらいついてやる、という精神がどこかにあるのです。

 

少し言い方を変えると、気が強いとも言えそうですが

この力はフィギュアスケートをやっている人が持つ大きな強み

なのではないかなあと思うのです。