気づいたら10年打ち込んでいた元スケーターの備忘録

元大学生フィギュアスケーターが10年間のスケート人生を通じて感じたことを、当事者ならではの視点から書いたり、そんな私の感性に刺さったモノを紹介します。

ブレードという刃物

フィギュアスケートの靴には、ブレードと呼ばれる刃がついています。

このブレードをコントロールしながら滑ることで、フィギュアスケートは成り立っています。なくてはならないものです。

実はこのブレード、一歩間違えると結構危ないものなのです。

 

このブレードによって私自身、血が出るようなけがを何度かしました。

見るからに危なそうなギザギザしているつま先だけでなく、

かかとも危ないものです。

 

一番大きなけがは、ジャンプで転んだときに

自分の左足のブレードが右足の太ももにあたり

レギンスに穴が開くほどの切り傷ができたときです。

「普段はいている靴はこんなに危なかったんだ...。」と、驚きました。

 

包丁をしばらく使っていると切れ味が鈍くなり、研ぐ必要が出てくるように、

ブレードも長い間滑っていると、止まれなくなったり滑りが悪くなってくるので

研ぐ必要があります。「研磨」や「シャープニング」と呼んだりします。

 

シャープニングをした直後のブレードは鋭くなっています。

スピンをするときに、様々なポジションを取りながら回るときに

手でブレードを持つことがよくあります。(ビールマンスピンなど) 

手袋をつけずにやっても、普段なら手が切れることはありません。

しかし、あるときのシャープニング後は

毎回のようにブレードを持ったところにうっすら切れ線が入っていて、

あまり痛くはなかったですが、とても怖かったです。

 

練習をしリンクから上がったあとは

ブレードには水分がついているのでタオルで拭くのですが、

友達と話していたりして拭くのが遅くなったときは、

「あ、すぐ拭かきゃブレードが錆びてしまう。」と思って、急いで拭いたりします。

 

いつもはあまり意識しませんが、そんなこんなの経験から

ブレードはちゃんとした刃物なんだなーと、ふと思わされます。

フィギュアスケートはキラキラした衣装を着て、氷の上を舞う華やかなイメージがありますが、その足元は危険と隣り合わせでもあるのです。