気づいたら10年打ち込んでいた元スケーターの備忘録

元大学生フィギュアスケーターが10年間のスケート人生を通じて感じたことを、当事者ならではの視点から書いたり、そんな私の感性に刺さったモノを紹介します。

スピンで目は回らないのか?

フィギュアスケートをしていると

友達から「スピンって目回らないの?」とよく聞かれます。

 

フィギュアスケートの試合やショーをテレビで見ていると

選手たちは体勢を変えながら回り続け、スピンが終わるとふらふらすることなく、

すぐに次の動きへ移って滑っています。

その姿は、目が回っているようには見えませんよね。

 

目が回らないのか?という質問に対する私の答えは

「目は回るけど、すぐにもとに戻る」です。

 

日々練習をしているときは1回1回スピンをする度に

「目が回った、けどすぐ戻った」と思っているわけではなく、

そんなことも考えることもなく、感じることもありません。

 

しかし、しばらく練習しない期間があり、1週間ぶりや1ヶ月ぶり(休んだ期間と目の回り具合はその時々で変わってきます)にスピンをすると

回り終わったときに「うわ、目回る...」と思い、少しふらっとすることがあります。

そう思った次の次の瞬間くらいには、もとに戻っているのですが。笑

 

やはり、目は回るのです。

それが日々の積み重ねにより、変わるのです。

何年もスピンの練習を続けていることにより、鍛えられ、

だんだん「目が回る→もとに戻る」の間の時間が短くなり、

目が回らないように感じるのだと思います。

 

そして、演技の最中のスピンでは、スピンが終わった直後に

どの方向に滑っていけばよいかを瞬時に判断する必要があります。

私は、スピンが終わりかけ、回るスピードが落ちてきたときに、

リンクの様子を見てどの方向に出ていくか判断しています。

 

しかし、たまに方向がわからなくなり途中から前と後ろが逆になることもあります。笑(ジャッジがいる方を前、と呼んでいます) 

方向がわからなくても演技は続けなければいけないので

一か八かで滑っていった結果、「逆だった…」となるのです。

 

例え途中から逆向きに滑っていたとしても、

最後のポーズをジャッジ向きに終われば何事もなかったように終われます。

滑っている本人は「途中から向きが逆になってしまった!」と思っていても、

ジャッジや観客はもともとの方向を知らなければ、気づかないものです。

選手と先生だけが気づき、演技が終わりリンクサイドに上がったところで

選手「途中から逆になってた!」

先生「でも大丈夫!誰も気づいてないから!」ということが私も何度かありました。

 

ということで、スピンで目が回らないのは日々の練習があるおかげなので

スケートをやめて数年後にスピンをすると

昔の自分が信じられないほど目が回るのかもしれません...!